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2012年4月24日 (火)

「嘆異抄に学ぶ」聴講記 初日

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「嘆異抄に学ぶ」講師:日野賢之師(小松教区、西照寺住職)
全3回の真宗講座の聴講に西堀の浄泉寺へ出掛けて来ました。

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「嘆異抄」は以前何度か読んで興味があったのです。
この書の作者は鎌倉時代後期に親鸞面授の弟子の
河和田(現水戸市)の唯円房とするのが定説になっています。

「嘆異」とは親鸞滅後20、30年を経過すると弟子たちが
思い思いの解釈をして、教義が混乱する事態が発生した
のです。このことを嘆き、何とか正しい教義に立ち返って
ほしいと涙ながらに書かれた体裁の書なのです。

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内容は親鸞の実子・善鸞の義絶破門事件の後に唯円房
が親鸞聖人から直接聴いた話に基づいて書かれています。

「義絶事件」は建長8年(1256)5月に起こります。

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事件から遡ること20年前、親鸞聖人が「教行信証」を
完成させるために東国から帰京した後、関東では異義
異端を説くものが現れて、教義は混乱し門信徒が動揺する
事態となっていました。

親鸞聖人は異義を質そうと、息子の善鸞を父の代理で下向
させたのですが、親鸞面授の弟子たちと反目し、善鸞は
阿弥陀仏の18願(至心信楽の願)を否定して『しぼめる花』
に例えたり、
「真実は夜中に密かに父から子に伝授された」と言いふらして
布教したり、性信たちと鎌倉幕府の下で裁判をして敗訴して
父親鸞から義絶・破門されたのでした。

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その後、関東から上洛して親鸞聖人に事の真相を質したのが
唯円を含む門信徒一行だったのです。

使命感に溢れた親鸞聖人の肉声が語られ、当時の気迫がそのまま
短い言葉で記されたのです。8代目蓮如上人はあまりにも刺激が
強すぎるとして、それ以後は長く発禁、封印してしまうのです。

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こうして数世紀が過ぎ、漸く江戸中期に荻生徂徠や本居宣長
等の影響で再発見され、香月院・深励や妙音院・了祥ら
一部の学僧によって研究が進められます。

明治時代となって宗門改革に着手した清澤満之師門下の
曾我量深(旧味方村)、金子大栄(上越市)、安田理深、
蓬茨祖運等親鸞教学の先覚者たちによって再評価され広く世に
紹介されたのです。

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本書の構成は序と本文18章と結語からなり、前半と後半に
大別できます。前半10章は「師訓編」と呼ばれます。
作者唯円房の耳の底に溜まって決して忘れることができない
親鸞聖人の言葉を集めています。

後半8章は「異端編」とも呼ばれ異義を上げて真実信心を
見失っていることへの批判を述べているのです。

結語は異義の起こっている原因を「信心の異なり」にあるとして
どこまでも親鸞聖人が教えている同一の信心に立ち返るべし
と述べています。

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今日はお日柄もよく、会場のお御堂は30分前には熱心な聴講者
で埋まりました。

講師の先生は本山から来られた日野賢之師(小松教区、
西照寺住職)
PCのインターネットで検索したらすぐにヒットしました。
間の取り方が絶妙な雰囲気のある方でした。

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講師の地元(小松市)の新聞社に12年間の長きにわたり
「嘆異抄」の濃~い内容を連載し続けた藤代聡麿師の話しが
紹介されました。
藤代聡麿師とは曾我量深師(旧味方村)の直弟子の人なのです。

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講話の内容は全3回、「第16、17、18章解釈異義批判から
学ぶ」です。

第16章 「信心の行者、自然に、(原文)」(自分の力を捨て
切れない存在)
第17章「辺地の往生をとぐる人(原文)」(真実の報土の覚り)
第18章「仏法のかなたに、施入物の(原文)」(檀波羅密の行)

第16章からは正直、前半10章の「師訓編」に較べると地味で
退屈なのです。殆どの解説本は第15章で終わっているのです
から。

でも本当はここが核心部には違いないのです。次回を楽しみに
したいと思います。

(おわり)

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コメント

小松市まで行かれたのかと思い、びっくりしました。
「歎異抄」は私も興味はあるのですが、中々敷居は高く、時間も無く、その内に・・・
などと心の中の灯は消さずに抱き続けているといった処です。
まずは、解説書からなどと安直にも考えている邪道な考えですが・・・

noritan様 おはよーございます。コメントありがとうございます。「歎異抄」は何度読んでも
難しいー。歯が立ちません。足がかりを見つけるいい機会と思って受講してみたのです。これから永い付き合いになりそうです。

投稿: noritan | 2012年4月25日 (水) 05時19分

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