冬の榛名外輪山を歩く(関東ふれあいの道)
朝の出がけは、しとしと雨が降っていました。
長岡を過ぎた辺りで、車中からご来光が望めました。
今日の天気予報は雨後くもりです。朝の内に降って
日中は上がってくれればいいのになー。
トンネルの向こう側はどんなかしら?
なんて考えながら車窓を眺めていたのです。
浦佐辺から越後駒が見えました。もう真っ白ですね。
群馬県側にトンネルを抜けたら青空が見えました。
バンザ~イ!誰ともなく拍手がおこりました。
今日は榛名湖の南縁に沿って整備された遊歩道を
歩きます。天神峠から相馬山まで約5時間の行程です。
伊香保の温泉街を下に見て車で標高1084mの
榛名湖まで一気に上がりました。
途中林の中でこちらをじっと見ているカモシカの
子供に出遭いました。
遊歩道の起点に史跡の石灯篭が建っています。
案内板の説明に「文化12年塩原太助寄進」と
ありました。
塩原太助といえば江戸に出て奉公しながら「炭団」を
発案して一代で財を成した人ですね。
歌舞伎の演目にもなった立志伝中の人物です。
今は上州名物「太助饅頭」で有名ですね。私も大好き
です。
遊歩道は階段が多いのです。凍った階段の上り下り
には滑り止めが有効だというので、1足1200円也
を買って来たというのに休憩の時にもう、片方が外れて
なくなってることに気付いたのです。
あれー?何処に落としてきたんだろうか?
リーダーに断って探しに戻ったのです。ない。ない。
なーい。結局一番下まで下りた所で見つけたのです。
いやー。それからの、上り返しはきつかったー。
早く戻って追いつかなければなりません。
氷室山まで一気に上がって振り返ると
榛名湖が一望です。
氷室山を下った鞍部で漸く追いつきました。
朝一から、とんだ大汗をかいてしまいました。
天目山へ続く笹原の尾根を行きます。延びやかで
気持ちのよい所です。
天目山(1303m)に到着しました。天目っていうから
すり鉢状の山なんでしょうか?
七曲峠に下る尾根はゆったりと気持ちのよい
プロムナードが続きます。
前方に目指す相馬山が見えます。
七曲峠は車道を横切ります。
上 ピラミッドの榛名富士を真横に見て進みます。
直ぐ下を観光道路が走っていますね。
下 相馬山が特異な山容を見せています。
今日2つ目の峠・松乃沢峠で車道を横切ります。
日陰には霜柱が立っていました。結構寒いのです。
<拡大>
上 磨墨岩(スルス)の下を通ります。
中・下 スルスは籾(もみ)や粉をひく臼(うす)の
ことで、磨墨は当て字、特徴的な形から
スルス岩と名づけられました。
(案内板より)
ランチの後、相馬山に登りました。赤い鳥居の
右に「奉納普寛講中」の文字が読み取れます。
「普寛行者」は寛政4年(1792)御岳山王滝口に
登拝路を開削した御岳講・御岳教の開祖です。
関東一円に御岳信仰が広まり、各地に講社が結成
されて隆盛を極めたといいます。
八海山大神の霊碑もありました。八海山中興の祖
「泰賢行者」の修験の師は「普寛行者」です。
八海山は御岳講に列格する山なのです。<拡大>
修験の山らしく鎖場と鉄ハシゴを登ります。
<拡大>
上 急傾斜の連続なのでランチのあとでは結構
きついのですよ。
中 「あと10分」の下に「あとじゅうぶん」って解説?
「あとじゅうぶんが」正解でした。
下 木の間越しに谷川連峰が見えました。
相馬山は別名「黒髪山」と呼ばれています。
「…高崎・前橋方面を始め、遠く関東平野の村々
より榛名山を望む時、厳然として屹立した第二峰
相馬岳、ここより立昇る黒雲は忽ちにして雷鳴を
発し、慈雨を下し、豊かな稔りを約束してくれる闇
龗神(クラオカミノカミ水神=龍神)の住まわれる
処の信仰はこのご神名が訛ったものとも云われる
神社名からも伺われ、随分古い時代から祭祀が
行われて居たものと思われます。…
祭神 大山津見神(オオヤマズミノカミ)
例祭 10月15日」
明治時代以後は榛名神社より独立した神社と
なりました。尚、社務は榛名神社にて行っております。
(「ご由緒より)」
黒髪神社の奥社より先の一段の高みに「御岳山大神」
の霊碑が建っていました。
山上には講中が建立した石仏や神像が並んで
御岳教の修行者たちの行場だったことが窺われ
ます。
高崎方面が見渡せました。
今日の朝は雨だったのに午後は晴れて
小春日和になりました。一年の締め括り
にふさわしい山行ができました。
「終わりよければ全てよし」ですかね。
下山した後はゆっくり温泉に浸かって
銘酒を頂きながら帰りました。
(おわり)
| 固定リンク
コメント
榛名外輪山では、お世話になりました。
しゃくなげ色さんらしいレポート、「うん、うん」と、うなづきながら
見せて頂きました。
相馬山、修験の山らしく色んな石碑があったけど興味を感じながら
読み取れず 登るのが精一杯で先を急ぎました。
そんな風に刻んであったのですね。
いい山でした~ 相馬山の良さを再確認しました。
FUKU様 おはようございます。コメントありがとうございます。相馬山は御岳講のお山だったのですね。それで講中の人達が持ち上げた石碑が一杯あったのです。あのトサカのような急坂を登る鉄ハシゴは爽快でした。上州の山のよさに気付かされましたね。
投稿: FUKU | 2012年12月19日 (水) 21時12分
一年納めの山行 お疲れ様でした。8月頃からこのブログを拝見するようになり、貴兄の博識さと味わい深い文体に引き込まれて、山への想いが膨らむ日々です。(チト大袈裟かな笑)来年も自分なりのペースで自然を楽しもうと思っています。
KAZU1954さん こんばんわ。いつも訪問ありがとうございます。早いものでブログを始めてもうすぐ1年です。KAZUさんのコメントは励みになります。来年もよろしくお願いしますね。
投稿: KAZU1954 | 2012年12月20日 (木) 11時08分
帰りのバスの中のお酒は美味しいでしょうね。私はいつもお茶です(帰りに運転するもので)。前半は忘れ物で他の人の倍は歩いたでしょう。ほんとうにご苦労様です。でも今回は雪がなくて使わずじまいでしたね。雪があったほうが利用できてよかったかな。
越後の寅次郎様 おはようございます。訪問ありがとうございます。帰りのバスで頂いた銘酒榛名山は旨かったです。運転者は飲めないから気の毒でした。相馬山はいい山でした。上州の山の良さに気付かされた思いです。出だし早々に落し物するなんてドジですね。ご厄介になりますが、来年もよろしくお願いします。
投稿: 越後の寅次郎 | 2012年12月21日 (金) 17時20分