雨乞山に登る(花の色は移りにけりな)
『花の色は移りにけりないたづらに我が身世にふるながめせし
まに』小野小町の歌がぴったり来るような情景です。
咲き競っていたカタクリも花期を過ぎました。周囲の木々も芽吹
き始め、季節の移ろいを感じます。スプリングエフェメラルたちは
次第に姿を消していかねばならない時を迎えました。
枯れたカタクリの隣りにはエンゴサクが元気に青い花を咲かせ
ていました。次々に世代交代が繰り返されるのです。
兄を誘って八枚沢から雨乞山に登りました。春の妖精たちと会
えるのも今日が最後になるかもしれません。
イカリソウとニリンソウが今、満開です。雪割草とカタクリの時期は
もう過ぎました。ほかの花々と入れ替わったのが判る程に、季節の
移ろいを感じます。
(上)弥彦山を仰ぎみます。
(中)初めの頃に比べると兄の歩きも山人らしくなってきました。
(下)ヤブ椿がきれいです。
雨乞山のアンテナ塔が見えました。兄との山行も今日が4回目
になりました。何せ登る山と言っては「500m未満。帰りは温泉付」
が条件ですから。
「前期高齢者なんだから優しく。優しく。な。」が口グセです。
(上)西蒲三山縦走路の八枚沢分岐に着きました。
会の山行だと1日でこなす所を4回分割で来ているのですから
楽に決まっています。
「1日で全部歩くのー?何時間かかるのー?」
「今年は11時間半掛ったって聞いたよー。」
「ウヘー!」
山頂に着きました。高度計の数値と1/25000地図は(318m)
は合っていませんね。でも誤差30mの範囲ですから。気圧の
具合でちょくちょく変動するのです。
山上で頂くのはこれが一番です。山上で食べれば何でも美味い
のですよねー。
分岐から殆どの登山者は弥彦山へ行ってしまうので、雨乞山
は何時来ても静かなのです。高台から木ノ間越しに新潟方面と
海を越えて佐渡が見えました。
タムシバと山桜とエンゴサクが咲いていました。どれも優しくて
愛らしい花ばかりです。
下りの道で名残り惜しい姿の雪割草を見つけました。カメラを
近づけて老夫婦が撮影に懸命です。
「ご精が出ますね。」
「はい。車を飛ばして来た甲斐がありました。間に合ってよかった
ー。」
「どちらから?」
「埼玉ですー。」
滝の上でコシノコバイモ(越ノ小貝母)が咲いていました。
俺らも最後の最後で会えてよかったー。コバイモは貴重種ですから。
気を良くして、今日は峠を越えて野積温泉まで足を延ばしました。
「太古の湯の「太古」って何ですか?」
「海低深く1300mも下に溜まった水の温泉ですから太古です。」
あー。なるほどー。
よくわからないけど『1300mも深い』と聞いただけで効能が
ありそうに思えてきました。いい温泉のようです。
(おわり)
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コメント
またまた兄弟山行で良いですね!兄さんの様に優しく、ゆっくりの山も良いですね。
我が山の会も今「新入会員の年齢制限65歳以下」が問題になっているんです、65歳以上の入会希望者が多いんです!現役会員の平均年齢65歳くらいで、50代は少ないんですよ。私も支部長でリーダーですが、まだまだ若い方なんですよ!
静岡の岳人さん おはようございます。静岡の岳人さんは若い方で重宝されているようですね。(笑)<現役会員の平均年齢65歳くらいでーお兄さんお姉さん方は昭和20年生まれの団塊世代ですからね。パワーは凄いですね。戦後経済の牽引車だった思いがまだ続いているのでしょうかね。俺らも当分兄に頭が揚らぬ構図は変わらない気がします。(笑)
投稿: 静岡の岳人 | 2013年4月23日 (火) 07時57分
またまた兄さん孝行ですね。羨ましいなー
私にも一人弟がいますが、腰が痛むだのなんだので仕事以外は体を動かす気がない人間なんで、 勿体無いなーと思いますが、人それぞれ、強要してはいけないと思ってます(笑)
kazu1954さん おはようございます。弟さんは若くてうらやましいな。俺らも昔は「明日は仕事だから」なんてテレビの前から動かなかったような気がします。ビール片手に。還暦過ぎてからが第2の青春だと思いませんか?青春しましょ。お互いに。(笑)
投稿: kazu1954 | 2013年4月23日 (火) 09時58分