ワラビ採りは楽し(小国・玉川中里わらび園)
朝からジャズを聴く気分にはならないけど、偶々雑音が耳に入っ
たと思えばね。「このラッパはマイルス・ディビス?リリカルで、
いつ聴いても、いい音出してるねー。」なんて調子合わせてたら
「マイルスって言えばさぁ。村上春樹は昔ジャズ喫茶のおやじだっ
たんだよね。先日、本屋に寄ったら、今話題の『色彩を持たない多
崎つくると、彼の巡礼の年』が平積されててね。
まだ読んでないもんだから世間から置いてきぼりを喰らうようでさ
ー。そっちは読んだー?」とモモさんが聞くのです。
「いやまだー。どうせオイラ、世間から取り残されてるからさ。村上
って知的でオシャレってのは分かるけど、『ノルウェーの森』も半分
読んで止めたし、ちょっとカッコつけてるところがー。」とオイラ
「彼の文章の随所にさ。マイルスのステージの1シーンだったり、
こだわりのフレーズが出てくるよね。それが同世代の読者にはたま
らない魅力になって、共感呼ぶのかなーって思うよね。」っとモモ
さん
ってな雑談を交わすうち、もう会場に着いてしまいました。今日は
友人のモモさんと例年恒例、通いなれたワラビ園の開園初日に
やって来たという訳です。家を出てから2時間はかかるかと思って
いたら1時間少々で着いてしまいました。ちょっと早すぎたかな。
「じゃあ、開園まで一杯やりながら、フキ採りでもしてようゼ。その
うちノブナガ先輩も到着するだろうから。」
今日はノブナガ夫妻とも現地で合流集合する予定です。このワラ
ビ園に通い始めてカレコレ20年も経つのです。飯豊連峰の登山
口に近くて馴染みの場所になりました。
皆さん、そろそろ並び始めましたね。車が続々到着しました。春日
部や宮城ナンバーも見えますね。遠路はるばる来てるんだねー。
ノブナガ夫妻も到着です。
入場料は2千円。軍手つきです。2千円で半日遊べるのですから
安いものです。皆さん山菜ザック背負って山菜採りスタイルが極ま
ってますね。橋を渡って山道に入れば一緒になるのに、少しでも
前に出ようと懸命です。このワクワク感がいいですね。
どうです。このスタイル。前掛けに地下足袋。年季が入ってい
ますね。
切符切りが始まりました。さあ。スタートです。皆が一斉に渡るから
吊橋がユッサユッサと揺れます。前を行くモモさんも60リットルの
ザックに手提げ籠持参でヤル気マンマンですね。
ワラビ園は飯豊連峰から流れ出る玉川の右岸の段丘に奥行き
1km、標高200mの高台にあります。結構広くて、玉川を挟んで
対岸を望むと飯豊連峰の眺めがいい所なのですよ。
今年は雪解けが遅かったようですが、集落の人たちが山焼きをし
ました。2年ぶりだそうです。山焼きをすると出が違うらしいですよ。
太っといワラビがニョッキニョッキと出ていました。さあ。脇目も振ら
ずに摘み取り開始です。
(上・下クリック拡大)
沢沿いに柔らかそうなウルイが伸びていました。早速採取です。
葉っぱはカサ張るので最初からチギッテ落とします。
(上・下クリック拡大)
(上)アマドコロ(甘野老)はナルコユリの若芽です。地中を掘ると
リング状の地下茎が出てきます。これを天ぷらで揚げて食すと
“まったりと甘い”珍味なのです。でも地中を掘ってると時間が掛る
ので今日は素通りです。
(下)どうです。この太さ。山のアスパラ、「しおで」(牛尾菜)です。
形がアスパラそっくりでしょ。サルトリイバラの若芽です。ベーコン
巻きで頂きます。淡白でベーコンの塩味と合うのですよ。
(上・下クリック拡大)
地中から頭を持ち上げて萌え出る姿は正に春の息吹ですね。
力強さを感じます。ウドも伸び出しています。
今日は70リットルのデカザックを担いで来て正解でした。大容量
のデカザックがみるみる埋まって行きました。ヨイショっと担ぎ上
げたら、ずっしり重みで肩紐が食い込みました。
(クリック拡大)
前のオジサンに倣ってちょっと汗拭きタイムです。入場してから
もう2時間経ちましたね。下ばっか向いてたので、ちょっと上を見て
飯豊連峰を眺めながら一服つけました。
右に梶川峰、左が梅皮木岳(カイラギダケ)ですね。残雪がべっとり
です。飯豊はいい山です。今年も登りたいなー。
今日の収穫はノブナガ先輩はデカザックと両手に2袋ですね。
奥様もザックはパンパンに膨れてますね。担ぎ籠にも、どっさり採
れて意気揚々の、ご帰還です。
動き回ってもう汗びっしょりです。午後から晴れて夏日のようになり
ました。山間(やまあい)の夏は暑いですからね。玉川沿いの川入
荘に行き来ました。ここのお風呂がいいのです。掛け流しのお湯が
じゃんじゃん出てて、ほかに何にもないのが、かえっていいのです。
(クリック拡大)
お風呂上がりは高台で腹拵えをしました。モモさんは運転だから
飲めません。ごめんなさい。オイラが代わりに頂きまーす。
雪解け後のこの時期になると、虫がウルサクまとわり付くのです。
虫が出ると、いよいよ夏到来って感じです。でも、うるさい上にワッ
と来て顔でも手でも、そこ等中刺して行くから、やっぱり苦手
ですねー。
ワラビ採りを早めに切り上げたら、倉手山に登ろうと、用意もして
来たのです。でも、この時間からだと、帰りが遅くなってしまい
ます。それじゃ偵察に行こうと飯豊山荘までやって来たのです。
今日はこれから一泊の夏山講習会が開催されるとかで、ロッジの
番人氏は準備に大忙しのようでした。
(クリック拡大)
車道終点脇の駐車場はかなりの車で混んでいました。石転び沢で
スキー帰りの登山者とスライドしました。「ずっと下まで雪が詰まっ
てて具合良かったよ。」と話してくれました。
偵察を終えたら帰えることにしましょう。後始末が待っています
から。車を走らせていたらサルが一匹道路上をうろついていま
した。群れからはぐれたのかな?小さく見えるのがお猿さんです。
随分採れました。タンサン(重曹)を十分に振りかけて熱湯を
ひたひたになるまで注いでフタをしておきましょう。一晩置いたら
、明日朝には美味しいワラビが出来上がっていますよ。きっと。
(おわり)
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コメント
おはようございます。山の幸大収穫でしたね。(拍手)
私は、娘夫婦と下田の袴腰山へ行ってきました。500メーターほどの山ですが、途中にひめさゆりが群生していて、程よい山ですよね。今週末位が見頃かなって感じでした。ひめしゃがもきれいでした。娘の旦那は山は初めてなんで、ゆっくりとしたペースでの往復でした。下山後のいい湯ら亭でリフレッシュして、私と娘は風呂上がりの生ビールに歓声をあげました。旦那は飲めないんでこういう時非常にありがたいですね。
kazu1954さん おはようございます。コメントありがとうございます。<下田の袴腰山へ行かれたのですね。ヒメサユリのピンクとヒメシャガのブルーの道を親子水入らずで歩かれたのですね。雰囲気が伝わってきました。いい湯ら亭で風呂上りのビールで乾杯ですかー。いいなー。婿さんも頼りにされて結構ですね。
投稿: kazu1954 | 2013年5月28日 (火) 11時53分
恒例の山菜採り、大収穫でしたね!静岡ではこの様な風景は余り見ませんね、やはり雪国ならではのものですね。「ウルイ」は食べたことがありますが、山のアスパラ「しおで」は見たことも、もちろん食べたことも無いですね。珍しい!!
静岡の岳人さん おはようございます。地元の人の話しだと晴天ばかりだと固くなって出来が悪いといいますね。適度に雨に当たって潤ったのがいいとなると、やっぱり「雪国ならでは」なのでしょうね。山のアスパラ「しおで」はこの辺の里山にもあるのですが、飯豊のは太くて別格です。珍味には違いないけど、今は旨い食材がほかにあるから。ほんのちょっと頂くだけでいいです。(笑)
投稿: 静岡の岳人 | 2013年5月29日 (水) 07時44分
とても魅力的な記事でした。
また遊びに来ます!!
投稿: 株のetfとは | 2013年6月 4日 (火) 12時53分