山上の風は涼し(金倉山トレッキング・後編)
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出だしの急登を抜けると斜面は緩くなり南東側の眺望が開けま
した。眼下に棚田の風景が、遠くに魚沼三山が望めます。
「真ん中が中ノ岳、左が越後駒で右が八海山だろう?」
「ぅまー!ステキー。こんなによく見えるのねーー。」
『木苺(きいちご)を一粒口へ急登へ』
『万緑(ばんりょく)の果てに三山くっきりと』
金倉山は観音堂の前から始まる遊歩道と尾根を挟んでほぼ平行
に走る舗装林道が山頂付近まで通じています。車で上れば約10
分です。
「足に自信のない方は遠慮なく申し出て下さーい。」
「…ーー …ーー」誰も手を上げません。乗車組はいない様です。
「リーダーの後について行くから大丈夫よ。」とヤル気十分です。
それもそのはず、みなさん「昔取った杵柄」で若い頃は岩に、雪に
スキーにとブイブイ言わせた人達ばかりなのです。
小生なんか大先輩のみなさんから見れば「洟(はな)垂れ小僧」の
ようなものですから。
会全体の平均年齢は65歳。戦後日本を牽引してきた団塊の世
代の人達の年代層が多いのです。だからパワフルで皆元気です。
最近年齢層の上昇に合わせてトレッキングが増えました。
雪山名人に沢登り名人、クライミング名人にスキー名人、俳句名人
にスケッチ画名人と各種各様の名人揃いなのです。
ですから一般山行の楽しさとは一味違った山の愉しみ方を教わる
機会が増えたと小生は喜んでいるのですよ。
この時期、初夏の里山は日差しが強くて暑いのですが木陰は
時折涼風が渡って心地いいですね。耳を澄ますとカッコウの啼
き声が聞こえてきます。
「トッキョキョカキョク」って聞こえるのはカケスかなー?
『稜線の木影流れる汗をふく』
407メートルのピークまで上って来ました。振り返ると小千谷の
市街とその奥に刈羽黒姫山が望めました。
「この実何かしら?」
初夏の里山ってあんまし登った事ないので生えている植物は
よくわかりません。聞かれてもねー。
「この道は遊歩道?参道?登山道?」
遊歩道で参道で登山道です。って答えておきました。
金倉山は神奈倉山とも書きます。また別名三明山(みあかり
やま)ともいいます。幡持山(560m)の頂上には「三宅神社奥の
院」の石柱が建っています。
三宅神社は延喜式内社です。里宮は妙見町(長岡市)にあり
ます。祭神は大彦命(おおひこのみこと)です。
社伝によれば大彦命(おおひこのみこと)の子の波多武日子命
(はたたけひこのみこと)が新羅国の王子の天日桙命(あめのひ
ほこのみこと)の姫の天美明命(あめのみあかりのみこと)と
結婚し、この国の三明山(みあかりやま)の峰に三殿を造った。
三明山とは神奈倉山(金倉山)のことで上の嶺(幡持山)に大彦
命を中の嶺(幕山)に天日桙命を下の嶺(美明山)に波多武日子
命と天美明命をまつった。とあります。
(越佐の神社 花ケ前盛明 著)
金倉山山頂展望台の脇に鎮座されているお像は天美明命(あめ
のみあかりのみこと)でしょうか?
上の嶺(幡持山)、中の嶺(幕山)、下の嶺(美明山)の三山を三明
山として(今は金倉山(神奈倉山))延喜式神名帳面に列せられる
古いお社なのです。
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歩き始めて約2時間。みなさんよく頑張りましたね。山頂展望台
に到着です。割合遠目も利いていい眺めです。守門岳ですね。
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先ずは展望台に上がってみませんかー?あれが毛猛連山でー。
あれがーー。こっちはーー。と案内板と首引きで山座同定に一生
懸命です。眼下に広がる虫亀の棚田風景もいい眺めです。
上空を渡る風が爽やかです。
ひとしきり展望を楽しんだあとは、楽しいランチタイムの開始です。
いつもながら豪華ですねー。次々と持ち寄りの手料理が回って
来ます。今度お貰い専用のお皿を用意してきまーす。
おおっ。オイシソーなナス漬けだー。ちょっと一枚撮らせてねー。
「みんなあげる。片付けてねー。」
ランチのあとは野点(のだて)のお茶会もあります。お茶菓子付
きですかー。素晴らしい。全員に振舞って頂きました。
『金倉の峰の野点や風薫る』
『棚田みな青田となりし地震(ない)の村』
ゆっくりランチを楽しんだので次は温泉で汗を流しましょう。今日
は下山口までは戻らず、山頂を3分下った広い駐車場にバスが
待機してくれているのです。
上の棚田と下の棚田を結ぶ狭い林道をゆっくりとバスは下り
ます。
山古志・虫亀に出て種芋原(たねすはら)の「あまやち会館」に
向かっています。
高台に建つ1軒宿の「あまやち会館」に着きました。平日の日中
は貸切状態ですね。団体割引も利いて1人270円で済みました。
「何とか温泉」っていう効能書きがありましたが、よく覚えていま
せん。でも、いい湯でしたよ。
お風呂あがりのビールが旨いのですよねー。おとうさん気持ち
よくなってひっくり返ってますねー。
お風呂に浸かってゆっくり2時間休みました。話も弾みます。
帰りは半蔵金から栃尾に出ました。途中の道の駅で油揚げの
実演販売に立ち寄って、またパクついてる人がいますよー。
これが揚げたてだから、熱々で旨いのですよ。ワンカップによく
合います。
今日は天候に恵まれゆっくり、のんびりといいトレッキングが
できました。
(おわり)
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コメント
金倉の峰の野点に風薫る
いいですねー!
皆さんの満足度が伝わってきます。
リーダーお疲れ様でした。
kazu1954さん おはようございます。木々の葉も深緑に変わって風薫るの表現がぴったり来る季節になりました。ガンガン登る山もいいけど、ゆっくりノンビリ温泉付きってのもいいですね。嵌りそーです。(笑)
投稿: kazu1954 | 2013年6月24日 (月) 10時17分
皆さん俳句や野点等々、山を優雅に楽しまれていますね。
参加者の平均年齢は70歳。最高齢は82歳。皆さんお若いですね。 若さの秘訣は 「山を楽しむ」でしょうか? (*^_^*)
素敵なトレッキング山行、楽しそう~♪
FUKU様 おはようございます。コメントありがとうございます。オイラも只、山に登るだけじゃなく見たものを絵や詩句に残すことができたらステキだろうなと、思うのです。何のケレン味もなく自然にできちゃう人たちが居られるのは素晴らしいですね。
投稿: FUKU | 2013年6月24日 (月) 16時56分
K田さんの俳句も見事なものですね!それにいつもながらランチタイムのお弁当美味しそうですね!我が会も最近会員の高齢化が進み高山登山より低山ハイクの参加者が多いですね。
静岡の岳人さん コメントありがとうございます。ぶっつけ本番で、すらすら句帳に書き連ねて行くのを見ると感動します。大したものなのです。野点の茶会もあったりで一般山行とはまた違う愉しみがありますね。静岡の岳人さんの所属会もきっと楽しいのでしょうね。
投稿: 静岡の岳人 | 2013年6月28日 (金) 13時04分