夏近し(『スピリチュアル』は神楽囃子に似ている)
「予約待ちが622番ですがよろしいですか?」と館員さん。
「はい。お願いします。」
とは言ってみたものの、図書館の蔵書数が32冊で622人の予約
っていったら単純に20倍だから、1人が延長して4週間借りれば
順番が回ってくるのは20ケ月先ってことですよね。2年も待って
たら新刊も色あせちゃうじゃないですか。
そんなら、買って読んでみようかといつもの本屋に向かったという
わけなのです。
「でも折角予約したのだから買わなくってもいいんじゃなーい?」
っていう思いも湧いて来て…ーでもーコーヒー飲んでいるうちに
『まぁ。いっかー。』ということになりましたー。
ここには外人の常連さんが多いみたいです。いつもの席に腰掛け
てたら何でか、トレーンの「スピリチュアル」のメロディーが頭の中
に浮かんだのです。それから、ずーっと耳奥に聴こえているので
すよ。そんな経験てありませんかー?
会社が退けてからジャズ・スワンに寄ってみました。
「こんばんわー。」
「いらっしゃーい。お久し振りー。」
「随分積んでありますねー。これ全部ジャズストリート用ですか
ー?」
夏のジャズストリートが来月7月13・14日に開催されるのです。
早いものです。もう半年経つのですよ。夏のジャズストリートが
過ぎるといよいよ新潟に本格的な夏がやって来るような気が
します。
半年前の冬のジャズストリートのレポはこちら⇒
「もう、忙しくって大変なんだよー。」とマスター。マスターと奥さん
の頑張りのおかげで、いいジャズを安く愉しむことができるの
ですから。ありがたいことです。
「リクエストあるのー?」
「はい。コルトレーンの「ライブ・アット・ザ・ヴィレッジヴァンガート」
ありますかー?」
いつもは気に入った曲をウォークマンに入れて聴いているのです。
偶(たま)にはトラック盤を回してもらって大音響で聴いてみたいと
思ったのです。
「あるよー。それで何枚目ー?」
「2枚目のスピリチュアルお願いしまーす。」
JBLのスピーカーから溢れ出る音は違いますねー。気分爽快
でーす!
変なこと言うようですが、『スピリチュアル』聴くと田舎の
春祭りで門付けの神楽舞のお囃子に聞こえるのですよ。
獅子頭(ししがしら)の舞い手さんが、こう前足を掻き込むみたい
に勢いをつけて家中に突進して来る獅子頭の姿を連想してしま
うのですよ。
コルトレーンが吹くテーマにエリック・ドルフィーの重いバスクラの
音が被さってエルビンのドラムスの響きが、こう…獅子舞の仕草
に合わせて唄うように「ピーヒョロドロドロドロ…ーー」って、お囃
子に聞こえて来るのです。
『スピリチュアル』は日本的な音って感じしますねー。
『至上の愛』は当時日本のファンに大受けでした。
サイドメンのレジー・ワークマン(ベース)も親日家です。東京に
住んでたこともあります。エルビン(エルビン・ジョーンズ)(ドラム
ス)の奥さんは日本人です。皆、日本贔屓で日本人の心情が判
るー?ちょっと強引ですかねー。
「ライブ・アット・ザ・ヴィレッジヴァンガート」は1961年(昭和36
年)10月24日から11月5日までほぼ毎日ステージに立った
コルトレーンの演奏のうち11月2日と3日分を収録したものです。
1960年(昭和35年)マイルス楽団を抜けたコルトレーンは、マッ
コイ・タイナー(ピアノ)とジミー・ギャリソン(ベース)それにエルビ
ン・ジョーンズ(ドラムス)を誘って世にいう黄金カルテットを築いた
のです。ノリノリの時期のライブ盤です。ライブハウス聴衆の拍手
音を拾う臨場感がいいですね。
7月はジャズの季節です。そういえば去年誰かに教えられて、
間瀬の「ジャズ喫茶江差屋」(えさしや)を探して歩いたのです。
⇒その時のレポはこちら
間瀬の集落内を件(くだん)のお店を探して歩き回ったのです。
その日も暑かったですねー。カモメが舞う漁港の事務所で聞いて
漸く目指すお店を探し当てたのです。
お店のママさんが出してくれた冷えた麦茶が美味しかったのを
覚えています。
アルテックA7の大スピーカーから聞こえてきたのがトレーンの
『スピリチュアル』だったというわけです。ママさんはエリック
・ドルフィーのバスクラに痛く共鳴されていましたっけ。
今年はカラ梅雨のようです。
夏のジャズストリートと一緒に、夏到来の予感です。
(おわり)
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コメント
夏といえば私の場合「夏山」しか浮かばないけど、新潟では「ジャズストリート」なんですね!さすがアカデミックで格調が高い!!
静岡の岳人さん おはようございます。11年も続くと季節の風物詩?になりつつありますね。プロの演奏から学芸会の発表みたいのまで甲乙取り混ぜて、この日は新潟の街中がジャズ一色に変わるのですよ。これが終わると本格的な夏山シーズン到来となります。
投稿: 静岡の岳人 | 2013年6月13日 (木) 07時48分
おはようございます。村上春樹ですか。私は食わず嫌いで、彼の著作には縁がありません。(笑)そこからジャズの世界へ広がってゆくあたりが、貴兄らしいところなんだろうなあ!
kazu1954さん おはようございます。村上は同世代だし感覚的に好きですね。俺らの頃はジャズの洗礼を受けたから、この歳になるとジャズに帰るのですね。きっと。最近のジャズシーンはよく知らないのですが、60年代のジャズを聴いて楽しんでいるのですよ。
投稿: kazu1954 | 2013年6月13日 (木) 10時48分