威守松山(エモンジョウヤマ)に登る・後編
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そうはいうものの折角登った山頂です。遮るものもない展望が
広がっているのですから、ちょっと眺めて行きましょうか。
北東側に井戸尾根と巻機山の稜線が望めますね。あの中央の
小広い台地は桧穴ノ段辺りでしょうか?
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「ー初っぱなから桧穴ノ段(ひのきあなのだん)と呼ぶ急斜面は
辛かったが、それを登りきると、思わず歓声を発するような気持ち
いい雪原に出る。それからもう一度、上桧穴ノ段の急坂を登ると
、間もなく前山である。前山から巻機山の頂上まで30分足らず
だが、その鞍部は雪が消えると、お泉水が幾つも現れ、ナンキン
コザクラの敷き咲く気持ちのいい所である。ー」
(深田久弥著 『日本百名山』27巻機山)
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クルリと振り向いた南側のトンガリは大源太山ですね。あれが
見たくて登って来たようなものです。
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大源太山をズームです。トンガリが魅力的な山ですね。なにせ上
越のマッターホルンですから。今年4月の会山行くで反対側から
大源太山を見ました。いつ見てもどこから見ても感動させてくれる
山ですね。その時のレポはこちら⇒
上越国境の中でもあまり人に登られていない桧倉ノ頭、柄沢山
米子頭山は雲の中です。
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威守松山から東に派生する尾根を辿れば柄沢山に至り上越国境
稜線に繋がるのです。その雪稜の風景を眺めに残雪期にもう一度
訪ねて見たいものです。
「飲用沢(のみようさわ)経由桜坂林道」への下山路の標識があり
ました。でもこう暑くてはこれ以上のアルバイトはちょっとねー。
で、先へは進まず、来た道を戻ることにします。
名残おしいですが、山頂には10分少々でお別れです。今度来る
時は雪が来る前の晩秋か、春まだ浅い早春にしたいと思います。
先に下りた夫婦の後を追いかけるようにブナ林に下って行きま
した。ブナ帯は別世界です。ひんやり心地いいのです。平らな場
所があったら、そこでランチにしましょう。
まあ。今日はお疲れさんでしたー。展望はなくても緑のカーテンに
囲まれた涼しいテラスも快適です。
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ブナのソバにいるだけで癒されますねー。この時期のブナ林は
涼しくて絶好の避暑地です。
(上)遅咲きの山つつじが咲いていました。緑地(みどりじ)に赤の
コントラストがきれいです。
(下)ミズナラの木の下にマスタケが発生していました。叔父の家
の庭先で塀垣の朽木に発生したマスタケを見たことがあります。
この梅雨時に発生する菌のようです。
マニアに言わせると天ぷらにすると絶品だっていうのですが…。
「ハンペンと蒲鉾との中間くらいの食感かなー。」
でも夏のキノコって、どこかゲテモノ食いの印象しかないんです
よね。
登りも急だったけど、下りはもっと急に感じます。一歩一歩慎重に
下りました。
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(上)ハナヒリノキ ツツジ科イワナンテン属。有毒植物。と植物図
鑑に出ています。鼻に入るとくしゃみが出るからこの名がついた
そうです。
(下)ムササビタケ 夏のキノコは食、不食にかかわらず食指が動
きませんネー。
木ノ間越しに大源太山と七ツ小屋山が見えました。樹林の下りは
暑いだけですが、一服の清涼剤です。
下山したらムっと蒸し暑さがぶり返して来ました。夏雲が垂れ込
めた午後の巻機山は朝の雰囲気とは違った印象です。
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「ー半より上は岩石畳々としてその形竜躍り虎怒るが如く、奇々
怪々言うべからず。麓の左右に渓川あり、合して滝をなす。絶景
また言ふべからず。云々」(『北越雪譜』鈴木牧之)
「この描写から察して私は牧之の指す破目山(われめきやま)とは
今の巻機山前峰の天狗岩に相違ないと思う。」
(深田久弥著 『日本百名山』27巻機山)
(上)上り一方の山は下りもまた速いのです。下り始めて小1時間
で登山口まで下りて来ました。
(中・下)桑の実の間をミドリヒョウモンが低空飛行で飛び回って
います。産卵場所を探している風にも見えます。草むらに舞い降
りたところをうまくトラエました。
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GPS軌跡 歩程 3:10(上り 2:10 下り1:00)
国土地理院背景地図等データ利用許諾番号 2011-005号
山から下りて来たらもう、汗びっしょりです。六日町に出て町の
共同湯に直行しました。ここは建替え移転したばかりのようです。
国道沿いの便利な場所にありました。設備の整ったきれいな
施設です。入口の券売機に390円を投入します。タオルと石鹸
は別売ですから持参したほうが安上がりです。
今日は県内はどこも30℃超の猛暑日になったようです。風呂上
りはクーラーをガンガン効かせて関越道に乗りました。
威守松山が「エモンジョウヤマ」の呼び名だと判ったし、静かで
中々いい山だと実感できたので、次回は涼しい秋か早春にまた
来たいと思います。
(後編 おわり)
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コメント
大源太山(日本のマッターホルン)見た感じが良い山ですね!まだ登ったことがありません、今度ぜひガイドして下さい。
静岡の岳人さん おはようございます。新潟には他にも村松のマッターホルンがあります。トンガリの穂先に登ってみたい心理って面白いですね。大源太山には昔登ったことがありました。雨とガスで何にも見えなかった思い出です。
投稿: 静岡の岳人 | 2013年7月17日 (水) 07時54分
威守松山「エモンジョウヤマ」と、読むなんてなかなか読めません。 一つ利口になりました。
大源太や巻機を眺めながらのいい山歩きでしたね。
残雪期はどんななんでしょう?、雪深いのでしょうか?
越後にもいい山が沢山ありますね。 (*^_^*)
FUKU様 おはようございます。訪問ありがとうございます。『日本百名山』も読み直してみると発見があって面白いですね。エモンジョウ山には残雪期に登る人が多いみたいですね。雪に映える巻機山の景観は見事だと聞きます。今度オイラも登ってみたいと思います。
投稿: FUKU | 2013年7月17日 (水) 10時36分
楽しく拝見しました、十日町の中年山ヤです、魚沼の山中心に 春夏秋冬楽しんでいます、
数年前から ふと 山名、地名の起こりが不思議で あれこれ探っておりました、
「地名篇」で 少しスッキリしました、ご存知でしたら恐縮ですが 一読 おすすめいたします、
R,G様 訪問ありがとうございます。数年前に当間山へキノコ採りに入ったことがありました。ヤブに消えるクマさんのお尻を見たのと、倒木に大発生したナラタケに感動した思い出があります。十日町にはいい山がありますね。
投稿: R,G | 2013年7月18日 (木) 21時05分