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2013年8月23日 (金)

至仏山に登る(尾瀬晩夏・後編)

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8月18日(日)晴れ
至仏山が全容を現しました。柔らかな曲線を描いて
悠揚迫らぬ姿です。さあ。いよいよ最後の登りです。

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「至仏山は利根川上流を縁取る多くの山々の中の最高峰であっ
て、利根側では岳倉山(タケクラヤマ)と呼ばれている。クラとい
うのは岩又は岸壁の意で、頂上の西面がその趣を呈しているか
らである。至仏という名は東側の片品川方面の称呼であって、
どういう意味か定かでない。」
(「日本百名山29至仏山)」深田久弥著)

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(クリック拡大) コバギボウシ(小葉擬宝珠)
森林限界を超えて稜線に出ると、ゴツゴツした岩で鎧われた風景
に一変しました。西側は崖になって落ち込んでいます。遥か下方
に藤原湖(人造湖)が見えました。

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大岩の壁面に植生保護の案内板が打ち付けてありました。
「この地区はホソバヒナウスユキソウ群集、雪田草原の貴重な
植生、オオシラビソの針葉樹林、100年生以上のブナの原生林
高山蝶ベニヒカゲの生息保護の為、至仏山・笠ケ岳西面県自然
環境保全地域に指定されました。昭和52年3月25指定
 群馬県」
と書いてありますね。

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ベニヒカゲ(著作:『蝶の図鑑』)
オヤマ沢田代の木道でみつけた蝶の幼虫もこんな美しい蝶に変
身するのでしょうか?

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(クリック拡大) ホソバヒナウスユキソウ(細葉雛薄雪草)
エーデルワイスですね。
♪エーデールワイスの花微笑みて 鋭き岩角金色に照り 山は目
覚めぬー
見た途端に山の唄を思い起こすほどにおなじみの花ですね。
岩陰にひっそり一輪だけ咲いていました。

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(クリック拡大) ヨツバシオガマ(四葉塩竃)
「燧の火山岩に対して、至仏は古生層に属しているそうで、森林
限界が低く、そのため潅木帯が広くて、豊富な高山植物を保有し
ている。」(「日本百名山29至仏山)」深田久弥著)

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(クリック拡大)
いや実に高山植物の種類の多さにはビックリです。今は夏と秋が
交差する時期なのでしょうね。
(上)ホソバツメクサ(細葉爪草)5㎜ほどのカワイイ花です。蛇紋
岩の岩壁の隙間に束生していました。
 
(中)ミネウスユキソウ(峰薄雪草) 花の周りが雪を被ったように
うっすらと白いのです。
(下)タカネナデシコ(高嶺撫子) 優しい色合いです。角田山に咲
いていたカワラナデシコの近似種ですかね。 

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「寛文6年の『会津風土記』には至仏山、安永3年(1774年)の『上
野国志』(こうずけ)には四仏山と記されているそうだが、この山に
はなんら仏教的な謂れもないし、里から遠い奥山であって、古くか
らお参りされたという話も聞かない。」
(「日本百名山29至仏山)」深田久弥著)

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(クリック拡大)
(上・中)イブキジャコウソウ  砂礫地にカーペット状に広がって
咲いていました。
(下)ウメバチソウ(梅鉢草) 秋を感じます。去年、会津磐梯山の
登った時にも群生していましたっけ。その時のレポはこちら⇒

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蛇紋岩は滑り易いのです。登山者が多くて靴底で磨かれて滑り
易いのか、岩質の為なのか、分かりませんが岩肌が磨耗して
黒光りしています。雨の登高は骨が折れるだろうな。とつい思っ
てしまいました。

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花を撮ろうとカメラを構えて下ばっかり見ていたら、いつしか小至
仏山も遠くなってしまいました。

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いよいよ至仏山の登りに掛ります。兎に角、滑り易い岩が連続
するので足許から目が離せません。

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山頂近くに露出した蛇紋岩です。見事な眺めですね。「蛇紋岩米」
というのを聞いたことがあります。マグネシウムとカリウムを含有
する土壌で育った旨いお米だそうです。こういうのを「自然の恵」
って言うのでしょうね

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騙し峰を2つも3つも越えて、漸く山頂に到着しました。山頂には
立派な石の標柱が建っています。
そういえば小至仏山も至仏山も石祠を見かけませんでした。山岳
宗教の痕跡がない山も珍しいですね。深田先生のおっしゃるよう
にあまりに奥山なので信仰の対象から漏れたのかもしれません。

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山頂から燧ケ岳と尾瀬ケ原方面です。残念ながら今日は眺望は
期待できませんね。

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(クリック拡大)
こっちは反対側の利根側の眺めです。ガスが流れていきます。
山頂は風が強いので、岩陰に風を避けてゆっくりランチタイムに
なりました。恒例の持ち寄り料理の応酬が始まりました。何てっ
たって、この醍醐味が忘れられなくて山に来るようなものです
から。

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楽しいランチタイムも、早や過ぎてしまいました。後は下るだけ
です。
笠ケ岳がピラミッドピークを格好よく立てています。来年は目指
そうと思います。

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(クリック拡大)
ゴゼンタチバナ(御前橘)がシラビソの樹下に咲いていました。
もう盛りを過ぎて葉も元気がありません。
上りでいっぱい撮ったので、下りはこの一枚だけにしました。

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ゆっくり下って鳩待峠に戻って来ました。お疲れさんでした。

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帰りの関越道の谷川PAに名水が湧き出ている場所がありま
した。軟水でお茶やコーヒーに最適です。と書いてあります。

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オイラも真似して、ウィスキーの水割り用にボトルに汲んで帰り
ました。
それと名物太助最中とモツ煮込みのお土産も忘れずに買いま
した。

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(クリック拡大)

歩いた軌跡 歩程 5時間30分(上り3:00 下り2:30休憩含む)

国土地理院背景地図等利用許諾番号2011-005号

今日は雨にも合わず、花いっぱいの晩夏の尾瀬を楽しめました。
来年は解禁間もない尾瀬に再訪したいですね。

(おわり)

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コメント

谷川PAの水は美味いですよね。新潟から日帰りで至仏山登れるんですね?私が行った尾瀬沼周遊は新潟側から入って奥只見湖を渡ったんで燧ケ岳や至仏山は日帰りは無理なんだろうって思ったんですが。群馬側から入ったんですか?

kazu1954さん おはようございます。谷川PAの水はウィスキーの水割りにいいですね。沼田経由で鳩待峠からの往復であれば日帰りが出来ますね。燧ケ岳はもう時間的に無理だと思います。以前三平峠経由で試したのですが時間切れで長蔵小屋のお世話になったことがありました。(笑)

投稿: kazu1954 | 2013年8月23日 (金) 09時57分

至仏山には2度ほど登りましたが、確かにいろいろな花が咲いていたのと蛇紋岩を覚えています!

静岡の岳人さん おはようございます。夏と秋の花期が交差する頃なのでしょうか。まあ、花の種類の多さに驚きました。やっぱり尾瀬は特別って印象ですね。蛇紋岩。名前が不気味ですね。靴底で磨かれて黒光りして滑るのです。滑る岩と高山植物の思い出に残るいい山でした。(笑)

投稿: 静岡の岳人 | 2013年8月23日 (金) 10時05分

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