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2013年9月26日 (木)

八海山に登る(先達に出会う・後編)

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最後の鎖場30㍍の駒姿の岩稜です。ここを登れば
今日の目的地。薬師岳はもう直ぐです。

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下から見るほどには苦になりません。斜度も緩いし、危険な
所はありません。集中して一気に上ってしまいましょう。
さっきのほら貝のご利益が効いてきた頃かなー?

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程なく薬師岳山頂(1684㍍)に着きました。いやーお疲れさーん。
よく頑張ったね。
山頂にはヤマトタケルノミコトの銅像が祀ってあります。ヤマトタケ
ルは「日本武尊」と書きますよね。上州武尊山には修験の道場が
あって、昔は八海山から上州武尊山に通じる修験の奥駈道が存
在したのだそうです。

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ですから日本武尊の像は上州武尊山のある東の方角を指して
立っているのです。
薬師岳は峰の薬師信仰に由来するものだそうです。新潟県は他
県に比べても「峰の薬師信仰」が盛んな地です。白山薬師、米山
薬師に粟薬師、ねずみ薬師に嶽薬師と薬師の名を冠した山が目
白押しなのです。小生も八海山の薬師岳に登ってみたかった
のですよ。

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薬師岳に立つと前面に八峰の岩峰群が姿を現しました。地蔵岳の
基部に建つ千本檜小屋とは直線距離にして200㍍の指呼の間
です。地蔵岳の山頂に立つ人影もはっきり見えますね。

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「ブォーーー!ぶぉ。ぶぉぶぉぶぉーー。」先達(せんだつ)が山上
で吹き鳴らすホラ貝の音がここまで届いてきました。

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先程、浅草登りの途中で先達(せんだつ)さんとスライドしたのです。
「こんにちは。今日は何か山の行事があるのですか?」
「三山奥駈けの最終日なんですよ。」

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「あのー。私たちのためにホラ貝吹いてくれんガーですかー?」
「ああ。いいですよー。」

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「ぶぉーーー!ぶぉぶぉー。ぶぉーーー。」「ぶぉーーー。
ぶぉぶぉー。ぶぉーーー。」

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「ぶぉー。」としか書けなくてスミマセン。実際に、間近で聴くといい
音なのです。ジワーっと五臓六腑にしみわたるような。自然に溶
け込むというのでしょうか。アリガターい。実にうっとりする音色で
した。
先達さん。突然のオーダーにも心よく応じてくれてありがとうござ
いました。

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「先達の人たちも、今じゃ専従の山伏っていなくなって、自営業だ
ったりサラリーマンだったり、奥山駈の時に山伏姿になって集まる
ってガーよ。」

「あー。そうなんだー。」
先達って恰好がカッコイイよねー。

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てなことを話しながら無事に薬師岳に登り詰め、山頂の小広場で
ランチにました。
今はロープェー利用がメインなのですね。1合目から登ってくると
もうヨレヨレです。でもロープェー利用だと余裕を残して八峰を全踏
破しても楽々余裕みたいですね。

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でも、まぁ。このヨレヨレ感を敢えて味わえると思えばいい山行に
なると思のですがねー。意気揚々のピークハンターだけがメジャー
じゃないってば。
(スミマセン。余計なことを言いました。)

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薬師岳でゆっくりランチの後、下山に入りました。登りであんなに
苦労したのに。、下りはアッという間です。

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薬師岳の山頂から女人堂まで20分で降りて来ました。

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でも、ランチの時に地蔵岳の頂上にいた筈の先達さんは、もっと
速いのです。俺らが女人堂に下りたころには既に霊神塔の前で
祝詞を奏上していたのですから。全く韋駄天ですね。

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先達(せんだつ)さんのカッコよさに魅かれて、下山してから図書
館で本を読んでみたのです。それによると…。

先ずヘッデンのように頭に被っているいるのは頭襟(ときん)といっ
て大日如来の宝冠を表しています。
胸の6つのフサフサは結袈裟(ゆいげさ)といいます。六波羅密(ろ
くはらみつ)という菩薩が納める実践徳目を表すそうです。

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因みにこのフサフサの色は位によって緑、オレンジ、紫、緋色と
変わっていきます。
上の写真の尻皮は岩の上で敷く座布団代わりになる道具ですが
引敷(ひっしき)といって修験道では獅子の皮ということになって
います。百獣の王獅子を尻の下に敷いて、その上の世界に入る
ことを意味しているのだそうです。
(「はじめての修験道」田中利典、正木晃著 春秋社刊)

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(クリック拡大) 女人堂の下りにて
池ノ峰下に漕ぎ池が見えたのですが…ズレ撮りかなー?

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修験者の目を通して見たら八海山はどんな世界に映るので
しょうか?

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4合目のビューポイントまで下りました。振り返ると薬師岳と八峰
も遠くになりました。

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先達(せんだつ)さんが八海山に対峙して印を結びます。親指と
人差し指で三角形をつくる日輪の在の印だけ判りました。
祝詞を奏上して法螺貝を吹き鳴らします。
最後に先達さんに続いて俺らも2礼4拍手1礼をしました。

「一緒にお参りして頂いてありがとうございました。」と先達さん
から声を懸けられたら、俺ら、もう感激しちゃいました。

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15:40の下りロープウェーに乗り込みました。窓際から夕方の
八峰の景色がみえました。来月は紅葉シーズン真っ盛り。燃える
様な紅葉が見られることでしょう。

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でも、日没は早まるし、観光客でごった返す大混雑も念頭に行動
しないといけませんね。文明の利器は便利ですねー。3時間かけ
て登った山も5分で下りちゃうんですから。

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帰りの風呂も下見しました。小出ICから一番近いというので帰りの
入浴場所を「ユーパーク薬師の湯」にしたのです。
ロープウェー駅から八海山尊神社(宮野屋駐車場)に朝デポした車
をピックアップしてからの移動と仕度で約1時間かかりました。
「ユーパーク薬師の湯」ではゆっくり約1時間汗を流して帰りました。

<コースタイム>
新潟発5:00=関越道小出IC下車、R290経由=ロープウェー駅
7:00=大崎・八海山尊神社(宮野屋駐車場)7:40…金剛霊泉
8:50…女人堂11:45~12:00…薬師岳13:00~14:00(下山)
…女人堂14:20…ロープウェー駅15:20=下りロープウェー15:40
=ロープウェー駅(麓)15:50=八海山尊神社(宮野屋駐車場)
16:30=「ユーパーク薬師の湯」17:20~18:00=新潟19:00

歩程 7:40 (上り6:00 下り1:40 休憩含む)

Photo

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国土地理院背景地図等データ 利用許諾番号2011-005 号

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コメント

もう忘れ果てたくらい昔に一人で行きました。
大崎口から、山開きの前日だったので、歩いて登りました。
歩いている人も2、3人しか居なくて、雪渓の下が解けていて危険な箇所がありました。
女人堂の小屋が当時出来たばかり(?)とても、綺麗でホームレスになったら、此処で暮らしたと思ったほど(笑)ノートに何か書きつけてきました。
千本檜小屋でストップ、又、トコトコ歩いて帰りました。千本檜小屋より先はとても怖くて行けません!!

noritan様 おはようございます。コメントありがとうございます。noritan様も以前にお一人で大崎道を登れられたのですね。八海山で2番目に開削された古道だけに味わい深いものを感じます。ちょっと長いですけどね。途中の霊泉小屋と女人堂は講の信者で東京のお金持ちが寄進したと本(越後の山旅)に書いてありました。1合目から上がると千本檜小屋で正直もうヘロヘロですね。流石に修験の道だと実感します。(笑)

投稿: noritan | 2013年9月26日 (木) 15時28分

何の根拠もないのですが、八海山は修験者が白装束でホラ貝を吹きながら天狗のように険しい岩山を駆け巡るという一種独特の怖いイメージを持っていました。
今まで何回かお誘いがあったのですが全然気が進まず未踏の山の一つです。
しゃくなげ色さんのレポートを見せて頂いて私でも何とか登れるかな?と、恐る恐る応募しました。
頑張りたいと思います。宜しくお願い致します。 

FUKU様 おはようございます。山で遭った先達さんたちはグシガハナから駒へ上って、中ノ岳から御月山、八峰を越えて三山駈けをするそうです。地下足袋装束でトレランするのでしょうか?とても真似できません。超人と言われる所以ですかね。兎に角簡単に上らせてくれない山ですね。(笑)こちらこそよろしくお願いします。

投稿: FUKU | 2013年9月26日 (木) 17時53分

しゃくなげ色さま
またまた新しい知識をおかげさまで得る事が出来ました。(感謝)
何事にも造詣が深いですねぇ~

輝ジィ~ジ様 おはようございます。訪問ありがとうございます。話しには聞いていたのですが、先達さんを間近で見たり法螺貝を間近で聴くのは初めてで新鮮でした。山道の彼方此方に霊神塔が建ち並んでいました。八海山は今も神のまします信仰の山だと感じました。興味が尽きませんね。(笑)

投稿: 輝ジィ~ジ | 2013年9月26日 (木) 21時47分

八海山も良い山ですね、山伏のホラ貝凄いですね!山伏の事が良く解りました!!

静岡の岳人さん おはようございます。返事が遅くなり済みません。28日から槍山行に行っていたのです。槍沢を上って南岳に周り天狗原経由で戻りました。これで少し静岡の岳人さんに近づけたかな?(笑)播隆窟にお参りして来ました。山伏先達さんのホラ貝みたく先人はみんな熟練して山に挑んだことをあらためて思いました。槍は心に沁みました。

投稿: 静岡の岳人 | 2013年9月30日 (月) 08時00分

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