槍を見に行く(初日・槍沢ロッジ泊)
今朝は5:00に新潟を出発しました。日の出が遅いので外は真っ
暗です。関越道を走ると東の空が明るくなってきました。今日も
晴れそうです。
松本ICを一般道に下りてR158を西進します。沢渡の道の駅で
シャトルバスに乗り換えました。
先月マイカーで、真夜中に沢渡の道の駅で落合って新穂高温泉
から槍に入山する計画だったのです。でも生憎、台風襲来で中止
したのでした。新潟発の夜間運転でも走れるようにと、本気で勉
強したから、ルートだけは頭に入っているのですよ。
でもマイカーで来るより、会のバス山行の方が断然楽ですね。
釜トンネルに入りました。いい道ですね。トンネルを抜けるとイキ
ナリ車窓の外に焼岳が姿を現しました。
上高地に来て穂高の高峰を見ればやはり意気が高揚します。
雰囲気いいですね。だんだん登山モードになってきました。
清流と森と明神岳の眺めと三拍子が揃っている上高地の梓川
辺りは散策する人で混雑していますね。気になっていた明神館
前の木の赤い実はカンボク(肝木)というそうです。
「穂高神社のご祭神は穂高見命(ほたかみのみこと)、綿津見
命(わたつみのみこと)、瓊々杵命(ににぎのみこと)である。
ーこの神社を安曇(あずみ)氏が奉斎してきたことを思えば、その
創建は遥か古代に遡ると思われる。安曇氏は穂高見命を祖神と
する古代豪族で、おそらくは南方系の海洋民族の流れだ。
綿津見(海神)は穂高見の父神とされる神である。」
(「名山の文化史」高橋千劔破著 ㈱河出書房新社刊)
海神を祀る穂高神社が何時から、如何して山の神になったのか
興味が湧きますね。
ゆっくり歩を進める観光客を足早に追い抜き、追い抜き。徳本峠
分岐まで来ました。昔は皆、徳本峠越えをして槍を目指したの
です。W・ウェストンも先人達も通った同じ道を今、俺らも歩いて
いるのですから。それから、もうひとつ。徳本峠は振り仮名でも
振らないと「とくごう」とはなかなか読めませんね。
「ー白沢付近を昔は「とくご」と呼んでいたので「とくご」へ越える
峠が「とくご峠」、それがいつしか徳本の字に置き換えられ、陸地
測量部の地図に印刷されてしまった。例によってトクゴは徳合、
徳郷、徳元など書かれるが本当はどんな字だかわからない。
要するに槍が八里(やり)になるように発音に対しての漢字のい
たずらの見本市にすぎない。」
(「山名の不思議」谷有二著 平凡社刊)
だそうです。山名のルーツを探るのって興味が湧きますね。
(クリック拡大)
そんな先人達に思いを馳せて歩くのもいいかもです。梓川の対
岸に明神岳(左)と前穂東壁(右)が見えます。次々と変化する
風景には全く退屈しませんね。
遥か先のトンガリの中山と左右の山の端(ハナ)が交わる辺りが
横尾ですね。
(下)中山と赤沢山をズームです。
まだ先は長いです。急ぎましょう。夕暮れ前の16:00には槍沢
ロッジに着かないといけませんから。
今日から2泊3日の行程で槍ケ岳ー南岳ー氷河公園の周回コ
ースを会山行で登るのです。総勢18名です。健脚者揃いです。
(上)オヤマノボクチ(下)ノコンギク 路傍の花々も秋色に変わり
ました。
徳沢園12:30。いいペースです。白樺も紅葉が始まったようです。
今日は暑くも寒くもない、いい天気になりました。時折吹く涼風が
頬に心地よいです。こんな場所でゆっくり1時間のランチタイムも
いいでしょ。
会恒例の楽しいランチタイムは活力の源ですから抜かすわけ
にゃ行きません。
お姉さん方から頂いた「従兄弟煮」(いとこに)はいい味出して
ましたよ。
お腹も足りたし、また元気出して行きましょうね。明神、前穂と
屏風の頭が間近に見れるなんて幸せシアワセ。
横尾14:05 特徴的なU字谷が近付いて来ました。横尾谷は氷
河作用で作られたものだといわれていますね。
目の前のつり橋を渡って横尾谷を詰めれば涸沢に至ります。俺ら
が進むコースはオニイサンが指差す方。南岳から派生して走り下
る長大な横尾尾根に沿って流れ落ちる槍沢沿いに登ります。
樹林の道で倒木にナラタケ菌が発生していました。傘の鱗片が
特徴的なので同定しやすい菌ですね。一度に大量に獲れて、
その上、美味いとくれば獲らない訳にはいられないのですが。
今日は止めておきましょう。
槍見河原で小休憩を取りました。写真中央の山の右にちょっぴり
槍の穂先が見える場所がありました。木の梢に隠れて写ってませ
んね。残念。
(クリック拡大)
(上)ミヤマトリカブト (下)センジュカンピ(千手岩菲)
夕暮れが迫った暗い山道にひっそり咲いていました。どちらも
存在感あるでしょ。
大分山道らしくなってきました。槍沢も急で流れが太くなってきたよ
うです。皆さんは足が揃って益々ペースアップしていくようです。
流石Bクラスは頼もしい限りです。
登山道は沢を離れて上って行きます。敷石のように岩をひっくり
返して、歩きやすい石畳のようにしてあります。小屋が近付いた
証拠かな?
間もなく今日の終点槍沢ロッジに着きました。15:45着。予定よ
り15分も短縮して到着です。皆さんの健脚には、いや。脱帽です。
今日は土曜日。混み具合が心配です。先週最後の3連休は超満
員だったそうですから。
俺ら男組5人に宛がわれた布団は4枚です。1人1枚とはいかな
い様ですが。お互い様。譲り合いが大切です。まっ。何とかなる
でしょ。
1泊2食付きで9,000円也。料金は旅館並みですね。だけど槍
登山に来て山小屋でお風呂にありつけるとは思いませんでした。
ビックリです。
自然保護のため石鹸は使用できませんが。汗をかいた後の一風
呂は結構でした。
仲間18名が揃って頂く夕食の団欒っていいものですね。風呂上
りのビール付きは別料金ですが、これもなかなか旨かったし。
明日は早いから食べたら早く休むことにします。
山行初日 歩程5時間(休憩含む)
(おわり)
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コメント
しゃくなげ色さま
良き日に恵まれ何より!!
小生は以前、もう少し早く新潟を出たので、沢渡6:15スタート、槍沢ロッジは飛ばして
氷河公園経由で南岳の小屋 4:00ころ漸く到着。
ヘロヘロでした。
輝ジィ~ジ様 おはようございます。コメントありがとうございます。天狗原の下りの鎖場と長ハシゴにビビッて膝ガクガクなのに、その逆コースを登られたのですね。凄い。今まで飯豊の上りが高難度だとばかり思っていましたが目を見開かされた思いです。上には上がありますね。(笑)
投稿: 輝ジィ~ジ | 2013年10月 3日 (木) 21時04分
今回は天気にも恵まれて槍ヶ岳のリベンジ、最高ですね!私は昨年同じようなコース(登りに南岳から槍ヶ岳)を行きました。
静岡の岳人さん おはようございます。氷河公園のナナカマドが真っ赤に紅葉していました。南岳からの下りの途中で、これから南岳へ上るという妙齢の女性単独氏とスライドしました。明日は雨予報だから今日のうちにキレット越えをするのだというのです。たった今、崖を下ってきたばかりなので、この道を逆に登ると聞いて同行のお姉サン達からガンバッテーの声が懸かりました。この道は心に残りました。何か嵌りそうな予感です。(笑)
投稿: 静岡の岳人 | 2013年10月 4日 (金) 07時57分