吟行句会に行く
今日は何から詠もうかしらと。〆切は1時、投句は5句だから、
早々に俳句モードに切り替えて観察タイムに突入しました。
吟行のコツは「見て、見て、見て、見る」ですから。
先ずは目の前の銀杏に向かいました。
黄落のつづいてをりし寂光土
「黄落の」を上五に置いて、中七に「つづいてをりし」として
下五に「寂光土」。
こんな具合で黄落と寂光土が響き合うといいのだけれど。
「寂光土」とは御仏の在す処の意味です。俳人川端茅舎
が最初に使った言葉だと主宰の先生が教えてくれました。
もう一句。
黄落を従容と待つ大銀杏
銀杏の木が黄葉をすべて落して裸木となる前の一瞬の
華やかさを詠んでみました。
次は蓮田の前に来ました。ホントは対象物の前で粘って4、5句
くらいはものにしたいところですが、〆切時間が気になって仕方
ありません。
枯蓮の折れし先みな水漬きたる
枯蓮の骨が折れて、葉っぱの先がみんな水に浸かっていたのを
詠んでみました。「どっかと腰を据えれば、
見えなかったものも、やがて見えて来るんだよ。」
とは主宰の言葉。
五輪塔石の御仏竹の春
土蔵門の脇にその昔、五頭山麓の蓮台野遺跡から発掘採集
されたという五輪塔と石仏群がありました。「竹の春」は秋が深
まるほどに青々としてくる竹に因んだ 秋の季語です。
小作人取立帳や身にぞ入む
その昔豪農の経済を支えたのは小作人たちでした。
母屋の2階の陳列棚に帳簿類が堆く残っていました。
「身に入む」は秋の季語、「ぞ」で強調しました。
冬座敷明治のままの大時計
よくありそうな句を詠んでしまいました。豪農の屋敷の玄関には
振り子の大時計が時を刻んでいました。
土蔵門大玄関の冬紅葉
食事の後、句会が始まりました。今日は盛沢山の句材を
前にして各会の俳人さんたちの秀句が披講されたことは
言うまでもありません。
(おわり)
| 固定リンク
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- 冬のジャズストリート(2021.01.21)
- 大寒波来る(2021.01.19)
- 謡納め(2020.12.17)
- 秋の合同謡会(2020.10.28)
- 梅雨の晴れ間にすること(2020.07.31)
コメント
吟行のコツは「見て、見て、見て、見る」ですか「見えなかったものも、やがて見えて来る」なるほど確かにそうですね!納得!!「五輪塔石の御仏竹の春」この句が写真とピタリとマッチしますね!「黄落のつづいてをりし寂光土」これもまた良いと思いますよ!
静岡の岳人さん おはようございます。お褒めの言葉ありがとうございます。(*^^*)吟行は言葉遊びの訓練場ですが、緊張感があって為になります。句友もしっかり見ていて、いい句が出て来るのですよ。
投稿: 静岡の岳人 | 2018年12月 5日 (水) 09時08分