キツネノカミソリ満開
8月17日(土)雨のち晴
角田山のキツネノカミソリが咲き出しました。例年盆過ぎの
頃大群落が出現するのです。その花を見ようと大勢の登山者
で賑わうのですが。
「人集る所ゴミあり。」で、この時期に合わせて山の会では
清掃登山を続けているのです。今日はゴミ拾い支度で出かけ
てきたのでした。
(俳句)一山を赤く染めたるきつね花
角田山の海側から入る浦浜口から、寺沢を挟んで右岸左岸の
両のり面は一斉に咲き出したキツネノカミソリの大群落で真
っ赤に染まるのでした。
キツネノカミソリの「かみそり」は幅広の葉っぱが剃刀に
似ていることを喩たものだそうです。葉がない状態で花が
咲くので「狐に化かされた」ようだとする説とか。
江戸時代、冷害の大飢饉のときには救荒植物として鱗茎の
澱粉を水に晒して毒を抜いて食料にしたといいます。有毒
植物なのです。
(俳句)裏山の暗きに妖し狐花
花言葉は「妖艶」。確かに暗い林中に咲く一団の花から
そんな雰囲気が感じられました。
(俳句)風おちて鬱蒼の山蝉しぐれ
夏の沢筋は風が通らず、熱せられた空気が澱んで正に温室状態
なのでした。不快指数バッチリで尾根の急登を稼ぐと、頭から
バケツの水を浴びたようになりました。
人には不快でも、温室状態に生息する花たちには好環境なので
しょう。どの花も今が盛りと咲き競っているようでした。
よく見れば、幼い蕾が愛らしいのです。つぎつぎ咲き急ぐ
準備に余念がないようにも見えるのでした。
今年は暑すぎて、入山する登山者も少ないようでゴミは
ほとんど見かけませんでした。角田山の四季折々に出現
する、このかけがえのない花たちを、ずっと後世に残し
て行きたいと思う一日となりました。
(おわり)