2025年7月
2025年7月21日 (月)
2025年7月19日 (土)
夏惜しむ
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7月19日(土)晴
(俳句)鉄幹の碑陰をなぞり夏惜しむ
眼下に見える五十浦から通称ℤ坂を上り詰め、振り返ると絶景
がありました。絵の奥の尖がりは知行山でその奥が海馿の峰。
この景色を見たいが為に幾度も佐渡を訪ねたように思います。
跳ね坂の頂上に与謝野鉄幹の石碑が建っています。「波寄せて
海府の海の ふくらめば 岩踊るあり 歌へるもあり」
与謝野鉄幹が佐渡を旅したのは大正13年(1924)ですから
今から丁度100年前に彼が見て詠んだ景色を、100年後の今
見ていると思うとちょっと感動です。今月7月3~4日に山の
会で佐渡を訪ねました。4日に描きつけたスケッチを仕上げ
るのに2週間もかかるとは。その気になって描き切る思い出
の醸成に必要な時間だったかもしれません。
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正中の変(1324年)とは~後醍醐天皇による鎌倉幕府倒幕計
画が事前に発覚して未遂に終わった事件に連座して佐渡に配
流された日野資朝卿の忌日の毎年7月3日に供養能が妙宣寺の
お御堂で上演されるのを機に佐渡を訪ねて供養能を鑑賞しま
した。今日の演目は「猩々」。能面をつけていても台詞がはっ
きりと判る声量のシテの実力が垣間見えるようで感服しました。
翌朝、凪のうちにと船を出してくれた民宿のご主人のご好意で
海上から大ザレ滝を見ることができました。落差80mの大滝は
断崖を下り海岸から見るか、遊船で海上からしか見ることがで
きない幻の滝なのです。大滝の前で遊船はUターンして海上を
戻りました。波間に見えた知行山と海馿の峰は黒々として圧倒
的な存在感がありました。
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岩屋山洞窟の壁面に浄厳上人の「南無阿弥陀佛」の六字名号が
刻字されていました。北佐渡に残る弾誓上人に始まる弟子代々
の木喰行者の足跡を訪ねました。石名清水寺に残る木喰行道作
の薬師如来坐像、黴の地蔵菩薩立象を拝観しました。また真更
川集落から山居に上り、光明仏寺を訪ねました。浄厳上人の利
剣名号塔の傍に弾誓上人とおぼしき石仏を見つけ拝観しました。
人跡未踏の山中に籠って代々修行し、麓に下りて布教された木
喰上人たちの時代に思いを馳せて見ました。山居池が紅葉に染
まる頃にまた訪ねてみようと思いました。(おわり)


